今回ご紹介するのは、映画「ノーカントリー」。
アカデミー賞作品賞を受賞している歴史に残る名作となっています。
一見、タイトルやジャケットからは、どんな映画なのかわかりづらいものになっていますね。
ですが、観てみると、意外とアクション要素も多くて、面白い作品に仕上がっていましたので、ご紹介できればと思います。
目次
「ノーカントリー」(原題: No Country for Old Men)2007年
点数:4.5/5.0点満点中
第80回アカデミー賞で8部門にノミネートされています。
そして、作品賞、監督賞、助演男優賞、脚色賞を受賞しており、4冠を達成。
そのほかにも多数の賞を受賞している、とても評価の高い作品となっています。
ジャケットをみると、おじさんが3人映っているだけの表紙で、どんな映画なのか難しいのが観る前の印象でしたね。
ヒューマンドラマ系の映画にありそうなジャケットの見た目だったので、そういった類の映画かなと思ったのですが、
実際観てみると、見ごたえあるアクション要素が多かったので、とても面白く飽きずに観られました!
映画「ノーカントリー」のあらすじは?
ベトナム戦争に出兵経験もあったルウェリン・モスが主人公。
モスは、ハンティングに出かけていたのですが、その途中偶然にも、麻薬取引現場に遭遇。その取引は失敗に終わったのか、ほとんどの人間は銃撃戦により息絶えていた。
その中の一人だけかろうじて生きている状態だが、身体を撃ち抜かれており、「水」を求めていた。
モスは、水を持ち合わせていなかったためその要求を断り、その場を後にする。
その現場には、大量の麻薬が積み荷に残されており、
モスは、誰かが金だけを持ち出したことを察知し、あたりを捜索すると、200万ドルもの大金の入ったケースを手にしたまま息絶えた男を発見、その金を家に持ち帰ることに成功する。
だが、その晩、水を求めていた男のことをふと忘れられず、水をもっていくことにする。
水を届けに来たモスだったが、その男はすでに息絶えていて無意味に。
しかも、乗ってきた自身の車が金を追っている連中に見つかってしまい、自身も銃で撃たれ殺されかけてしまう。
やっとのことで追手をまくことに成功したが、残した車から敵に素性が知られてしまった。
金を追う巨大な組織は、殺し屋のアントン・シガーを雇い、彼に金を追わせることに。
シガーは、プロの殺し屋かつ、冷酷なマシンのような人間で、人を殺すということに何の躊躇も持たない男。
そして、一方、保安官のエドは、凄惨な殺戮が行われた麻薬取引現場を目にし、彼もモスの車だと気づき、モスの身に危険が及んでいることを案じる。
果たして、モスは大金を手に、絶対無比の殺し屋シガーから逃げることはできるのだろうか…。
また、保安官のエドはこの戦いを止め、モスを守ることはできるのだろうか…。
映画「ノーカントリー」のキャストは?
エド保安官 トミー・リー・ジョーンズ
ルウェリン・モス ジョシュ・ブローリン
アントン・シガー ハビエル・バルデム
「メン・イン・ブラック」シリーズなど数々の名作に出演しているトミー・リー・ジョーンズが出演しています。最近では、ジョージアのCMで宇宙人役としてシュールな笑いをお茶の間に届けてますよね。笑
映画「ノーカントリー」の監督は?
ジョエル・コーエンとイーサン・コーエンのコーエン兄弟が監督を務めています。
アカデミー賞脚本賞を受賞した「ファーゴ」などを手掛けた監督ですね。
映画「ノーカントリー」のおもしろいポイントは?
殺し屋アントン・シガーのキャラクターに見ごたえあり
とにかくこの映画の見どころは、殺し屋アントン・シガーだと思います。
まず見た目が、おかっぱ頭の眉の濃い男。バナナマンの日村さんみたいですよ。笑
作品が違えば、一見オタクでモテなさそうな風貌のキャラクターになってしまいそうですが、この映画を観た後で、アントン・シガーにそんな感情を感じる人はいないでしょうね。
彼は、独特の観念を持っていて、そして冷静でいて、冷酷。
彼に危害を加えていなくても出会ってしまったことが不運。罪のない人間でも、特に理由もなく殺されてしまいます。その殺しにも全く躊躇がありません。
殺し屋アントン・シガーの使う武器に魅力あり
殺し屋シガーですが、彼のキャラクターが独特なのはすでに上記の通りですが、そのうえ彼の使う武器もとても独特です。
普通映画に出てくる殺し屋、暗殺者というと、サプレッサー(消音器)付きのハンドガンなどが多いのではと思います。
ですが、シガーは、サプレッサー付きの”ショットガン”!
ショットガンってサプレッサーつけられるんだってこの映画を観て初めて思いましたね。笑
あまりショットガンにサプレッサーを付けた作品はなかなかないのではないでしょうか。
そしてもう一つの武器がまた魅力的。
ガスボンベにチューブが付いたもので、一見なんに使うかわからないものですが、
作中で説明があり、食用の家畜を殺すための空気圧縮銃のようなものを使用します。
こんな武器初めてみましたね。笑
しかもこの武器、とても万能で、ドアのカギ部分に撃つと、シリンダー錠が吹きとんでカギをアンロックすることができるんです。
観たら「え!今なにしたの!?」って興味津々になってしまうと思います。笑
モスの戦いに注目
主人公のルウェリン・モスですが、一見ただの髭のおじさんといった感じですが、ベトナム戦争帰還兵という設定で、戦いの素人ではないといった様子です。
シガーと戦うために、ショットガンを購入し、自身で改造までするところからも戦闘の経験値をうかがえますよね。
このモスとシガーとの戦いがとても魅力的で一番の見せ場ですね!
エド保安官の語りに魅力
本編の冒頭は、エド保安官の語りから始まり、また、作中でもよく自身の豊富な経験から様々な語りをするのですが、その語りに魅力を感じます。
直接的な表現ではなく、何か例えを使ったり、何かを引用したりしているような語りなので、どういう意味のことを語っているのかとても難解です。
ですが、そういった語りの部分に、考察しがいがあるものですよね。何回も観て紐解いていかないと難しそうですね。
また、エド保安官の吹き替え版は、声優の菅生隆之さんが務めていまして、ジョージアのCMでトミー・リー・ジョーンズの心の声でおなじみですね。聞けばわかるあの渋い良い声です。
あの声で語りを入れているので、吹き替え版も良いものに仕上がってますね。